副業時代に稼げる意外な副業

そもそも副業とは

 

副業とは、本業以外の仕事で収入を得る活動のことです。2015年に約3兆円だった副業の市場規模は、2019年では8兆円を超えると推定されています。また副業従事者も744万人、これはなんと、日本の労働人口の11%に相当します。働いている人の10人に1人は副業をしている計算になります。

 

なぜ副業がここまで取り沙汰されたのか

 

2018年1月に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成しました。その中で「モデル就業規則」から副業禁止の規定を削除したことで、一般企業で少しずつ副業解禁をするところが増えてきています。国が副業を大々的に取り扱ったことで、副業の流れが一気に加速しました。

 

国や企業がこのような方針を示し実行しているのは、従業員の満足度やスキルアップ、起業家の育成等様々な理由がありますが、「そうせざるを得ない」という部分もあるようです。

 

終身雇用、年功序列、定期昇給等の高度経済成長期を支えた人事制度や、年金、医療保険等の社会保障制度が崩壊しています。国や企業が国民の生活を制度によって保障することが厳しくなってきたため、副業によって自分で稼ぐ力を付けてもらわなくては困る、というのが本音でしょう。

 

それを裏付けるように働き方改革や定年の引き延ばしなど、「健康で長く働ける環境づくり」を促進しています。言い換えると、「できるだけ社会保障を使われない体制づくり」と捉えることもできます。それほどまでに日本は今、経済的な潮目を迎えているということなのです。

 

稼げない副業は何か

 

市場規模と人数から一人当たりの副業規模は年間107万円ですが、実体は非常に格差が広がっています。本業と副業の収入は比例する傾向にあるようです。貯金が100万円の人と1億円の人では、100万円の稼ぎやすさが全く異なるためです。収入を増やすために副業をしているにも関わらず、収支がマイナスになっていては本末店頭です。

 

 

実際によく聞く人気の副業は下記の様なものですが、これらはなかなか稼げる副業とは言えません。

  1. 転売・せどり
  2. 輸入/輸出
  3. ネット通販
  4. データ入力
  5. アンケート
  6. アプリレビュー

 

前者3つに関しては結局資金力の勝負になります。小規模で展開しても利益は非常に小さいですし、一方大規模で展開すると資金繰りで困ります。副業としてスケールさせにくいビジネスと言えます。

 

後者3つに関してはスキルの差別化が図りにくく労力を買いたたかれますし、仕事も奪い合いになります。誰でも簡単にできる、は稼げないビジネスの最大の特徴です。

 

このような副業を行っていると、なかなか稼ぐのは難しいと言えます。

 

稼げる副業は何か

 

副業も本業と同じビジネスで王道、定石、原理原則というものがあります。ここでは2つの方法をご紹介します。

 

一つ目は収益モデル自体で稼ぐ方法です。代表的な例がYouTubeやブログ、投資といった、資産から収入を得るビジネスです。一回一回の収入は少ないですが安定しており、また積み重ねによってどんどん大きくなるのが特徴です。

 

もう一つはニーズ×独自性で稼ぐ方法です。これは具体的な悩みを持っている人に対して、自分がこれまで培ってきた独自の能力を活用して解決策を販売、収入を得るビジネスです。例えば職人さんが片手間で作る高品質なハンドメイド家具等です。一回一回の収入が大きい一方で、固定客を捕まえないとなかなか収入が安定しないのが特徴です。

 

そして今、後者のニーズ×独自性で稼ぐ意外な副業が増えています。副業がマスに浸透したことによって「とあるニーズ」が爆発的に高まったためです。

 

そのニーズとは、「副業で稼ぎたいニーズ」です。これに対して自分なりの独自性を活かせている人が稼いでいます。

 

副業時代に稼げる意外な副業とは何か

 

労働者の10人に1人が副業をしているとお伝えしました。そしてこの流れは今後も加速し、更にマスに広がっていきます。

 

この副業で稼ぎたいニーズに対するウォンツは下記のようなものです。実際にクラウドソーシングのサービス上でも、ここ最近かなり増加してきています。

・ビジネスアイデアの壁打ち、アドバイス

・事業計画書、プレゼン資料の作成

・集客のためのSNSアカウント、広告の立ち上げ

・HP、アイコン、ロゴ、名刺の作成

・宣伝用の動画、プレスリリースの作成

 

言い換えると、コンサルティング、ライティング、コーディング、デザイン、動画編集ビジネスです。

 

さらにその中でも、副業を始めた人のフェーズによって大きくウォンツが異なり、収益性も変わってくるようです。このフェーズを大きく2つに分けて名前を付けるとすると、序盤の「期待フェーズ」と中盤以降の「絶望フェーズ」です。

 

1)期待フェーズのウォンツは何か

期待フェーズとは、副業をやる前、もしくはやってすぐの非常に高いモチベーションを持っているタイミングです。副業を形にするために事業プランを練り、HPやSNS、ロゴ、名刺等を作ります。この頃に求められるのはコーディングやデザインで、基本的に良い物を作ろうとして単価が高くなる傾向にあります。

 

2)絶望フェーズのウォンツは何か

絶望フェーズとは、副業を1、2カ月やって集客の難しさに気付くタイミングです(もちろんこのフェーズに入らない方もたくさんいます)。なんとかして認知をあげたい、集客したいということで、広告宣伝の実施や事業計画の見直しを行います。そのため、ライティング、動画編集、コンサルティングが求められます。この段階に入ると、収入を得ることの難しさを体感しているため、財布のひもがきつくなる傾向にあります。

 

もちろんこれに当てはまらない方も多くいらっしゃいます。ただ副業がマス向けになってきたことで、このようなニーズやウォンツが増加しているのも確かです。

 

どんな能力が必要なのか

 

このような副業は、まだまだ需要に対する提供者が少ないとは言え、やはり独自の強みを持っておくことが大切です。例えば事業計画書の作成を副業でやる場合にでも、ビジネスプランコンテスト用、創業融資用、追加融資用、メンバー配布用で全く書式も論点も異なります。SNSサポートでも、事業内容や目的によって投稿内容・頻度は大きく異なります。

 

そのため自分自身がどの領域に強みを持っているかを正しく分析し、そして相手がどんな副業のどこで行き詰っているのかを正しく理解する能力が求められています。

 

さいごに

 

今回は副業時代に稼げる意外な副業を紹介させていただきました。

 

副業がマスに広がった今、副業で稼ぎたいニーズを満たしてあげられる副業は増々需要が高まるでしょう。また副業をしていく中でこれらの課題解決プロセスをパッケージ化できれば、本業の生産性向上にも繋がっていきます。

 

隙間時間で稼ぎながら、本業でも活躍の場を広げていく、そんな好循環が生まれると良いですね。