変化と向き合う【継続中】コロナ不況と戦う取り組み

(寄稿者:Masashi Samba Dancer)

この記事を書くにあたって事前に伝えたいことがある。まだあくまでも模索中の段階だということ。
バーチャル(ホームページ)やリアル(対面営業)を活用し、リアル(対面)の業務を行うのが僕の「これまでの」事業だ。
現時点では「事業継続」のための試みを行っていて、まだ最終的に答えは出ていない。
もちろん希望は大いに持っている。

 コロナが2月半ばから日本でも話題になってきたころ、僕が半年かけて準備してた舞台が一つキャンセルになった。
その時に感じたのが311のデジャヴ。全ての人に変化を求める状況が起きている。
コロナ自体も未知で恐怖を感じるが、自粛に伴って起きるコロナ不況は更に深刻だと感じた。
「事業継続」か「廃業」かの選択を迫る程の状況だと思う。
この記事は「事業継続」を試みるリアルな状況推移として読んで頂きたい。

 初めてこの記事を読む方のために、簡単に僕自身の自己紹介をしたい。
僕はコロナ騒動が起きる前、サンバダンサーとして生計を立てていた。その他にモデルやアーティストとしても収入を得ていた。
具体的に抱えていた事業は主に以下の物。

・ダンスショー出演・ディレクション
・ダンスレッスン・ワークショップ主宰
・ダンサー派遣プロダクション
・アクションペインティング(絵画)ワークショップ主宰
・アクションペインティング(絵画)出演
・アートモデル

 全て対面(濃厚接触)が伴う。主力事業のダンスショーとモデルはゼロになった。
レッスン系も緊急事態宣言が出るまでは、換気と消毒を徹底してなんとか行えていた。
スタジオ閉鎖により実施できなくなった。

 「全滅だ!」と思った。僕の行っている事業に、コロナ不況の影響が正に直撃した。
現状、既存事業の再開の目途は立っていない。持続可能給付金が頼みの綱といえる。
社会不安の影響を真っ先に受ける事業である。

とはいえ、危機を好機として「事業継続」につなげたい。 
その為に、まず行ったことは以下の事。

①危機(ピンチ)を俯瞰してみる。
②持っているモノ(スキルや実績)を活用法を多角的に見る。
③新たなマネタイズ手段を増やし危機に瀕している事業をサポートする。

①まず「危機(ピンチ)を俯瞰してみる」ことで、自分の精神状態をフラットにもどす。
非常時であるが故、どうしても周囲の雰囲気にのまれがちになるにのは事実だ。
しかし周りと一緒に沈まずに、状況を俯瞰してみる事が特に求められる。

 例えばメディアは不安を煽るための報道しかしないと考え、テレビなどの主要メディアは遮断すべきだ。
必要最低限の情報をネットを活用して取捨選択して得るようにする。
これは311の際も言われたことだが、情報リテラシーの本質は「自己の気持ちを平常」にすることである。

 危機(ピンチ)を俯瞰してみると、気持ちに切り替えることが出来る。
その原因がコロナであれ何であれ、社会のニーズに合わせて事業を修正していくのは当たり前の事。
「作りっぱなしのホームページ」も良くないことは別記事で前述した。
例えば、通常業務が無くなって空いた時間は「準備のための猶予期間」とすべきである。
持続可能給付金も文字通り「事業継続」のための準備資金と考えることができる。

②「持っているモノ(スキルや実績)を活用法を多角的に見る」ことで、新たな可能性を見つけることが出来る。
事業化することで収益源につなげることができる。
例えばコロナ以降に主力になってきた事業は以下の通り。

・ラジオパーソナリティ
・フリーライター
・オンライン ダンスレッスン

 ラジオパーソナリティに関してはコロナ以前から準備していたものだが、コロナ不況の影響でスポンサーが減り案件消滅の危機だった。
 実行するにはノーギャラを覚悟する必要があった。
ただ視点を変えれば、対面での営業活動が出来ない今、ラジオはリモートで広範囲に定期的に広報活動が出来る手段だ。
ノーギャラとはいえやらない手はない。 
 また、身体表現が中心の事業内容に、新たにトークによる仕事の可能性が広がるわけである。
アフターコロナの新たな事業としてタレント業も加わるかも知れない。

 フリーライターに関しては元々ブログやエッセイを書いたり、小説の公募に挑戦したりしていた。
今展開できる事業は遠隔(リモート)で完結できることに限られる。
 この記事を書くに至った経緯も遠隔(リモート)での案件受注だ。
今のところは少額案件が中心だが、継続案件もありマネタイズも比較的早い。

 純粋に文章表現の向上が出来る。執筆にあたっての情報取集で、様々なヒントを得ることも出来る。
経験を積むことで作家業の可能性が出てくる。

 オンライン ダンスレッスンは、コロナ不況の影響を受けて真っ先に準備し実行したことだ。
 まず既存の対面ダンスレッスンのホームページの改修を行った。
これは後々の反省点になるが、動画チャットの手段を精査してから行うべきだった。
 ホームページの改修がどのようなものだったかは後述するが、結論としてZoomやFB動画チャットはダンスレッスンには向かないことが分かった。
例えば相手のネット環境の影響を受ける、音声と動画に必ずズレが出る。
動きと音がズレるのはダンスとして致命的である。 
 ホームページの改修ではコロナによるロックダウン(都市封鎖、外出禁止)の運動不足解消をメインコンセプトとして、プライベートレッスンを軸に改修した。
 結果、テクニカル的な問題にぶち当たることになるが、新たな決済手段(PayPalやPayPay、LINEペイなど)を本格的に利用することになった。
また、レッスンの顧客範囲も全国を意識することができた。

③「新たなマネタイズ手段を増やし危機に瀕している事業をサポートする関しては、良く言われるキーワードがある。
それは「セブンポケッツ」というもの。
副業をトピックにした別記事でも書いたことがあるが、本業をサポートする副業や複業を持つべきだという考え。
 今回のコロナ不況では複業を強く勧めたい。実際、僕にはダンス以外の収入減が複数ある。
重複するので現在稼働中のものは書かない。今後、複業として追加するために準備していることをいくつか挙げる。

 ・第一次産業(農業・狩猟)
 ・遠隔舞台(リモートパフォーマンス)
 ・アートプログラム(アートレンタル、セラピー)

 第一次産業(農業・狩猟)が異色だと思う。
これを複業の一つとして検討した「いきさつ」は、機会が有れば別記事で詳しく書こうと思う。
複業をする目的は「経済的、精神的安定の確保」である。
特に後者は今の様な状況では必要だといえる。

簡単に言えば「あっちがダメだったら、こっちがある。こっちもダメなら、これがある」ということ。

 また事業継続も大切だが、現状は「生き延びる」ことも大切だ。
だから農業?狩猟?とても短絡的で幼稚と思われるかもしれない。
経験上、頭で考えた結論よりココロが導き出した答えの方が正しい事が多い。
その心の癒しや潤いには必ず芸術やアートが益々必要になってくる。
本業再開まで乗り切る手段にもなる。

 まとめになるが、コロナ不況は全ての人に変化を突きつけていると思う。
そして変化は人に強いストレスを与える。
 311をきっかけに僕はサラリーマン生活を捨てた。その時どんな気分だったか?
アップとダウンの繰り返しだった。悪夢を見るくらい不安になったり、何でもできる!と気持ちが盛り上がったり。
様々な情報に振り回されて疲弊することもあった。
 「もしかしたら放射能の影響があるかもしれない」という予防意識に従って地方に移住し、同時に事業を立ち上げた。
結果的に自分が心から望んだ働き方ができた。

 人は大きな変化を前にすると「今まで通りの生活」に戻る可能性を追い求めがちになる。
正常性バイアスというらしい。もちろん元通りになれば良い。
でもならなかった場合の事を想定して準備行動するのと、しないとでは結果は大きく違ってくる。
是非与えられた時間(自粛期間)と資金(各種給付金)を有効に活かし、明るいアフターコロナの世界を迎えてほしいと思う。