凡人映画探訪記④ 40年越しの「ハロー、ダニー」

こんにちは、最近は昼だけヴィーガンをしている松野です。
ヴィーガンについて詳しくは語りませんが、社会問題と健康のため、まず昼だけでもという感じ。
きっかけとなった動画があるのですが、興味と勇気がある方はくれぐれも自己責任でYoutubeで「Dominion」と検索をしてみてください。
トラウマになっても責任は負いかねますが、価値観が変わるレベルの体験になるかもしれません。

さて、今回も映画のオハナシ。
トラウマつながりではありませんが、ホラー作品といきましょう。
斬新な恐怖表現で、映画史に燦然と輝くホラー映画の名作「シャイニング」。
その40年後を描いた、続編のご紹介です。

ドクター・スリープ

2019年のアメリカ映画。監督はマイク・フラナガン、主演はユアン・マクレガー。
前作にあたるシャイニングは幼少の頃から幾度となく観ており、大好きな作品です。
そもそも小さな子供にこれを観せるうちの親はどうかとも思うが。

そんな慣れ親しんだ作品の続編が実際に約40年経った今、公開されるというサプライズ。
もちろん監督はスタンリー・キューブリックではないのは当然のことではあるが、そんなことはどうでもよい。
シャイニングの正当続編が公開されることに意義があるのだ!(何の演説だ

あらすじ

「2011年、大人になったダン(ダニー)は、前作シャイニングの惨劇の舞台となったオーバールックホテルでの一件がトラウマになっていた。
自身の能力シャイニング(一種の霊能力やテレパシー)を抑圧するため、酒に溺れ、アルコール中毒を患っている。
あることがきっかけで、社会復帰の一歩を踏み出したダンはホスピスの従業員となり、死にゆく患者を慰めるためにシャイニングを使い「ドクター・スリープ」と呼ばれることになる。
そんな中、非常に強力なシャイニングを持つ少女、アブラからのテレパシーを受けたことにより、彼は自身の運命と向き合うことになっていく。」

シャイニングの遺伝子とその呪縛

前述の通り、本作の公開時は筆者はワクテカ状態(古い)で、我慢できず公開日の朝一に観に行ったのを覚えています。
朝一でホラー作品、しかも劇場でというのはなかなかのクレイジー体験でしたが、意外にもエンターテインメント色が強く、朝一でも問題なく楽しめました

まず前作との大きな違いとして、本作には敵対し戦う、明確な敵がいるということ。
前作では敵、というより主人公側に為す術がない「純粋な恐怖の対象」として存在していました。
しかし、今回は主人公側には対抗する手段があり、いわゆる戦闘シーン的なものもあります。

ただその分、ホラー作品としては若干B級感が出てしまったというか、要はあんまり怖くはないなーという印象。
実際、敵対する相手は、厳密には違うものの性質的には吸血鬼のような存在で、それがさらにB級感を駆り立てる結果になっているように思いました。
まぁこれは前作が名作すぎるが故に感じることだとも言えますし、前述のとおりシャイニングの続編ということが重要なので、個人的には十分に楽しめる要素でした。

これでもかという程のファンサービス

B級と書いてしまいましたが、決してつまらないわけではありません。むしろ楽しい。嬉しい。
中盤から後半にかけてのファンサービスは、往年のシャイニングファンには涙ちょちょぎれるくらい嬉しいものでした。
お馴染みの曲、裸の老婆、血のエレベーター、恐怖の双子、バーでの会話、雪の迷路等々…。
前作の名シーンの再現につぐ再現、これだけで観に行ってよかった…。

特に「ハロー、ダニー」の声を聞いたときの鳥肌はすごかった…40年後の今、本作を撮ってくれたことに感謝しました。
帰り道は「レッドラム!」と叫びたい衝動を抑えるのに必死な筆者。ただのやばい奴。

まとめると単体のホラー映画としてはあまり怖くはないが、前作ファンなら絶対に楽しめる作品。
逆に前作はそれほどな方が「続編だし一応」というスタンスで観るとがっかりするかも。
それほどにシャイニングの遺伝子と呪縛は強いのだ…。

そして例によってトレーラーのご紹介。
いやーこの予告編は何度観てもワックワクが止まりませんね!

ファン向け極振りな作品ではありますが、前作が好きな方は間違いなく楽しめる作品です。
シャイニング、それは呪いか、それとも光輝く贈り物なのか。
大人になったダンを待ち受ける運命、40年越しに見届けてはいかがでしょうか。

ではまた。