提訴されるモノたちと、その後の世界 ~グーグル、提訴されるってよ ~

10月もいろいろな話題がございました。

そんな中、歴史的なターニングポイントとなるであろう案件と言えば、「グーグル、独禁法で提訴」でしょう。

GAFAの一角であるグーグルが提訴されと言う事がどういうことか?
それは他の3社である「アマゾン」「フェイスブック」「アップル」もその標的になりうることを意味します。


訴訟には年単位の時間がかけられる場合もあり、GAFA側の残り3社はこの「グーグルvs司法省」行方を注視しつつ、次の「ターゲット」になった場合に備えて、あの手この手を打っていくはずです。

何せ訴訟は時間とお金、その他企業としてのエネルギーが湯水の様の消費されてしまいます。

また、たとえ勝っても「やっぱりGAFAはねぇ…」と言う空気が世間にできてしまうと、これまでと同じよう事業を続けることは難しくなる可能性があります。

もし負ければ、最悪事業分割などの命令を受けることになります。
グーグルだと、検索、Gメール、ブラウザ、スマートフォン(Android)がそれぞれ別の会社として分けられてしまう感じです。

それぞれが連動することで得られていた利便性や、規模の大きさで提供できていたサービスが低下することで、ユーザー離れが起きるかもしれません。

正攻法で行けば、司法省が独禁法に当たると思われる箇所の是正でしょう。
もっとも、大抵の場合は「そこ」が企業の儲けの源泉なわけですから、「はい、そうですね!」と企業構造を変化させたりはしないはずです。

ならばやはり搦手でロビー活動で議員たちに働きかけるなど、政治的な方面から圧力をかける方法は当然とっていくでしょう。
何せ、資金はしこたまあります。
訴訟問題で消えていくのに比べれば、まだお安い金額ではないでしょうか?

あるいは世間に「如何に自社は皆さんの為に差サービスを提供しているか」をアピールして、世間に「訴訟とかやめろよ~」と言う雰囲気を醸成していく事も考えられます。

「グーグル負けたら、Gmail有料化するし容量削られるんすわ! スマホも毎月OS使用料を徴収しますね!」
そんなこと言われたら、司法省側に文句言う人も出てくるでしょうしね。

斜め上を行くなら、「そこ」はくれてやるから好きにしろ……そう言わんばかりに新しい事業を起こして収益源をそちらにシフトしてしまう方法ですが、「ご家庭に1台必須、どんな場所でも潤沢に電気が使える自家発電機(核融合炉仕様)」とか「現行の1/10の重量で容量とお値段据え置きのEV車用電池」のようなブレークスルーが2,3度起きないと無理筋ない案件をここ数年のうちに実用化するのは流石にハードルが高すぎます。

恐らくは司法省もグーグル側も完全勝訴/敗訴になることはなく、双方が合意できる着地点を見出すことになるかと思われます。

それまでにGAFAの側がどのような対策を取るのか……みな同じ方向を向くのか、それぞれ別の方法を模索するのか……気になるところです。

あと忘れがちですが、むろん「提訴されない可能性」もあります。
これは各企業の努力で状況が改善された以外で、市場の独占状態が崩れた場合です。

何せ技術革新に市場の変化、異常気象に世界情勢、はては大統領選まで、世の中の移り変わりの激しさと、先の見通しの読めなささがかなり酷くなっています。
例えば2020年はコロナの世界規模での大流行によって、国際線が飛ばなくりました。競争ではなく停滞に陥ったことで、どちらの航空会社もみなひどい状態です。
「ANAに入社したと思ったら、他社のコールセンターで働くことになっていた」……これだけで酷さが伝わります。

GAFAも通信インフラの遮断/切断によってサービス提供が難しくなったり、自社サービスの陳腐化がここ数年で起きないとは限りません。

いつまでも、あると思うな、人気と仕事。

かつてマイクロソフトも独禁法で司法省とやりあいましたが、それも12年と言うかなりの件月を費やした末に両者の和解で幕を降ろしました。

今回も長期戦となるのか?
それを見守るGAFAの各社が、その推移からどううごくのか?
気になるところです。