資本主義における中小企業がするべき経営【経営学と経済学】

日本には350万以上の企業があると言われていますがそのうち349万は中小企業であり、日本経済は中小企業で回っていると言っても過言ではありません。

では資本主義の日本で中小企業がどんな仕事を選べばいいのか?どんな経営をしていけばいいのか??を経済の視点から今までで一番やさしくわかりやすく解説していきます

資本主義とは?

難しく思うかもしれませんが、実は簡単で「自由経済」の事です。つまり自由に商売していいですよというのが資本主義になります。

資本主義の日本では当たり前の主義ですが、共産主義や社会主義も簡単にわかりやすく言えば「平等経済」の事で資産や給料を国が管理しているという事です。

この資本主義という側面は多くの資産を持ち、お金を稼げる人にはいいですが稼げない人にとっては社会主義のほうがいいな…と思うかもしれません。多く稼げる人には稼いでもらって共産できたら楽だなと思う人もいると思います。

 

資本主義の構造って?

「自由経済」って一見するとすごくいい事に思えますが、反面では「永遠続く上り坂を上がり続けなければいけない」って事になります。

どういうことかというと「真似」されても自由という事でもあるからです。

中小企業において「真似」できないような商品を作り、世界にひとつしかない低コストながら高単価で売れる、そんな「理想的」なものを作ったとしても現代においてすぐ「真似」されてしまう。何故かというと現代社会において情報がとてつもない早さで広まってしまいうからです。

上に行ったと思ってもライバルがまた上に上がってきて、同じ位置に立たれてしまう。もっと頑張らなくちゃと上に上がっても…の繰り返しが資本主義の構造となっています。

 

商品やサービスの「価値」とは??

ここではわかりやすく「刀」で説明しますが、この「刀」というものの原料は「鉄」です。この「鉄」の価値はありふれたものでそこらじゅうどこでも存在するため「価値」はそんなに高くありません。

しかしこの「鉄」を溶かしたり研いだりして長い時間をかけて加工すると、何百万円もの値段で取引されています。つまり「価値」を上げたことになります。

ではその刀が素晴らしい切れ味で飾っていてもほれぼれするようなビジュアルで、喉から手が出るほどほしいって人はお金を払ったり、物々交換で手に入れます。一方で

「刀なんか持ってどうするの?? 法定速度60キロの道を200キロ出る高級車買うのと一緒で何の意味もない」

という考え方の人には何の価値もありません。当たり前かもしれませんがすごく重要で、物の「価値」とは人それぞれ、なので取引が成立するという事です。

 

取引とは?

例えば今持っている「コップ」と「高級腕時計」を交換する人は通常考えられません。100円持って1000円に変えてくださいといっても基本的にはしないですよね??

通常取引とは同等の価値が無ければ成立しないものです。

ではなぜ、日々取引が成立し商売が成り立つのか??それは物の価値が人によって違うからです。「刀」に何百万もの大金を払う理由は、自分よりも相手がほしい!!と思うから取引が成立し、同等の価値じゃない場合でも取引が成立するという事です。

 

そんなこと商売において当たり前じゃないかというかもしれませんが、原料の「鉄」が1万円だったとして、「刀」が100万円だったとしたら上記のようなありえない取引の「1万円持って100万円と交換してください」が成立するという不思議が起こります。

 

何故大企業が「刀」を作らないのか?

「んじゃ何故大企業は刀を作らないの??いくらでも真似できるんでしょう??」

という疑問が湧いてきます。資産数億円という大会社が本気になって「刀」を作った場合質は劣るかもしれませんが、個人では太刀打ちできない量の「刀」が出来上がるでしょう。個人で1本を1年かけて作り上げた「刀」が大量生産できる設備と圧倒的な人により世間に数多く出回るでしょう。

お気づきの人も多いと思いますが、初期費用とランニングコストが高すぎる。そして最早それは「鉄」の価値です。

 

個人の職人が丹精込めた「刀」だからこそ「価値」が出て、数百万での「取引」が成立するのであって、沢山できるものは「価値」が下がってしまいます。しかもリスクと時間がかかりすぎる、だから大企業はやらないという理論が成立します。

 

希少で高価な物を作ればいいのか?

「その理論からいくと多く作っても儲からないから、少量で高い物を作ればいいのね??わかった!!」

 

と単純に行く話ではありません。確かにこの理論では100円ショップは儲からないという理論が成立しなくもないのに100円ショップは全国で様々な企業がお店を出しています。重要なのは「価値」と「値段」の【バランス】にあります。「刀」を売ってる人だって出来る限り高い値段で売りたいし、普通なら買う人はいいものをより安くほしいものです。

そのギリギリの【バランス】を取り間違えなければ値段が見えてきます。

 

えっ!?このクオリティーの高さで100円!?と思う人は買う一方で、これだけ売って利益50円か…でも沢山売れるから成り立つなと思う企業がいるのです。要は当たり前ですが【バランス】の良さが重要になります。

 

中小企業はどんな仕事をすればいいのか?

今までは原価があって手を加え、宣伝費や人件費などを算出しながら「価値」を見出しましたが、原価が全くかからないで「価値」を見出せれば理想です。

「そんな夢みたいな話があるわけないじゃないか。」

と言われてしまいそうですが、ありふれたものなんです。人には「価値」の違いがあるように仕事にも「価値」が存在します。自分の中でこの仕事なら1円も稼げなくてもやりたい!!という仕事が存在しているということです。

「それは趣味って言うのではないか?1円も稼げないなら仕事ではないよね??」

そう思うかもしれませんがそれがのちに大きな「価値」を見出し、取引が成立するとしたらどうでしょうか??趣味が高じて仕事になったというのはまさに経済において理想の仕事なのです。

大企業が真似できない仕事とは「1円も稼げなくてもいいからやりたい仕事」です。もちろん1円も稼げない仕事を大企業がやりたいわけがありません。そして上記に戻りますが、「価値」が出た後も「真似」することができない理由があります。

ランニングコストやリスクが高いものは大きくなれば大きくなるほどやらないですし、1円も稼げなくてもいいからやりたい人がいないからです。中小企業において「真似」できない仕事とは大企業が圧倒的な資本で多くの人がいてもその気持ちとサービスや物は作り出すことができないからです。

「そんなの中小企業だって同じだよ………」

と声が聞こえて来そうですがこれを知ってると知らないとでは大きな知識の差になります。経済と経営においてまったく知らないのでは雲泥の差があり、経済の中に経営があるというのは経営の神様でさえ変えようがないからです。

なので「畑と漁」であり「罠と銃」が必要になります。

 

畑に種をまいて野菜の収穫を待ちながら川で魚を捕る、山で罠をはり獲物を待つ間に銃で狩りを行うという「先と今」を実行しながら仕事をこなすことで、中小企業が大企業に「真似」できない「価値」のある仕事をし、商品やサービスを長く提供できるということです。

 

まとめ

資本主義ってとても残酷な一面をもっていて「強いものが勝つ」という一見不平等な主義ですが、「強いものが勝つ」ルールって本来悪いルールではありません。

強いものが負けて弱いものが勝てるルールってなんだかおかしく感じませんか??

仕事も一緒で多くの資産と人がいたほうが勝ちやすいのは言うまでもありません、ですが決してそんな会社ばかりが存在しているわけではないです。大企業だって赤字経営の時はありますし、潰れることだって0ではありません。

1.資本主義の本質や経済を知る
2.1円も稼げなくてもいいからやりたい仕事を見つける
3.商品やサービスの「価値」を見出す
4.ギリギリの【バランス】で値段をつける
5.「先と今」の仕事をこなす

経営で悩んでいる中小企業の方、仕事に悩んでいるあなたの中に「1円もかせげなくてもいいからやりたい仕事」は存在しています。そんなものはないと思うかもしれませんが出てきていないだけで、心の底に隠れているのかもしれません。

それでは探してみてください。

「価値」がある仕事がきっと見つかるはずです。それは会社にとってもあなたにとっても唯一無二の「価値」になるはずです。そして大きな取引を長く継続させることができれば資本主義という上り坂をゆっくり地道に歩けるはずです。