10月20日、米国司法省がついに米グーグルを提訴しました。
反トラスト法(日本で言うところの独占禁止法)の疑いでの提訴です。
最近、妖怪とホビーなコトしか書いていないので、たまには真面目にニュースを読んでいきたいと思います。
まず「独占禁止法」
言葉は聞いたことあるけれど、どんな法律かと問われると返答に窮する感じのやつですね。
ざっくり言うと、
「資本主義の市場経済において、健全で公正な競争状態を維持するために、それを阻害する行動を防ぐことを目的とする法令の総称」
とのことです。
資本主義の市場経済……はっ!、つまり社会主義なり共産主義経済下では存在しないのか、この法律?!
安易にそう思いがちですが、残念ながら中国にも米反トラスト法を参考に2008年8月から該当する法律が施行されています。
さて、米司法省が具体的に何をもってグーグルを問題視したのかと言いますと、
スマホやパソコンで自社の検索サービスを広げるため
(1)競合の検索サービスの初期搭載を禁じる独占契約をスマホメーカーなどと結んだ
(2)携帯端末に自社サービスの初期搭載を求め消去できないようにした
(3)ネット閲覧ソフト(ブラウザー)の検索サービスで自社を標準にする長期契約をアップルと結んだ
私は自分のスマホがアンドロイドなので、そのように感じていませんでしたが、
「グーグル製のOSであるアンドロイドなんだから、同じくグーグル製のブラウザであるところのクローム載せてるのは当たり前」
…と言うのは、実はそういうわけではないですね……。
アメリカ国内で90%近いシェアを誇る
そこから上がる収益を使ってスマホ―メーカーと独占契約を結び、他社の検索サービスを締め出す。
結果、アメリカ国内で90%近いシェアを堅持。
そこから上がる収益を使って次の年もスマホ―メーカーと独占契約を結び、他社の検索サービスを締め出す。
結果、アメリカ国内で90%近いシェアを堅持……。
限りなくマッチポンプな気配?!
個人的にはグーグルさんには過不足なくサービスを利用させて頂いていますが、そのサービスを
「市場を独占する故に得られる、基本無料のサービス群」と捉えるか、
「市場を独占で競争相手がいないために、各サービスの質が今のレベルで留まっている」と捉えるか。
「市場が一部企業に独占されることによる安定より、ある程度不安定な状況を維持しておくことで、革新的な企業が出てくる下地を常に維持しておく」
そんな視点から「GAFA」のような「各分野で圧倒的なシェア」を誇り、競争相手を競合するまでもなく排除してしまうところまで来てしまった巨大な存在をそのまま野放しにはしない……こういうところは、如何にも米国的らしいと感じてしまいます。
無論、グーグルも「はい、そうですか」と大人しく従うはずがありません。
今後数年間はグーグルと米国司法省の激しいやり取りが繰り広げられるとの見方です。
GAFAの一角が独禁法提訴ということで、他の4社も今後の事業等に影響は出てくることでしょう。
今後も注目していきたいと思います。